1-2 管理建築士講習の受講方法とは?合格率、開催日程・料金・業務経歴証明書の記入方法を紹介

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管理建築士講習は、管理建築士になるために必要な講習です。管理建築士講習の資格を得るためには、建築士事務所に所属する建築士として3年以上の設計等の業務に従事する必要があります。

この記事では、管理建築士講習の概要やタイムテーブル、管理建築士講習の申込み先、合格者数や合格率など、管理建築士講習の内容やよくあるご質問についてまとめています。

管理建築士について知りたい方は、1-1 管理建築士制度とは?必要な実務経験などの受講資格を確認もあわせてご覧ください。

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管理建築士講習とは?

管理建築士講習は、設計事務所(建築士事務所)開設に必要とされる管理建築士になるために受講が必要な講習です。管理建築士講習を受講するためには、建築士としての3年間の実務経験が必要になります。

管理建築士講習は、一級建築士や二級建築士、木造建築士などの建築士の種類による区別はありません。受講に必要となる建築士としての実務経験なども、建築士の種類に関係なく通算することができます。

また、管理建築士講習は、一級建築士の定期講習のような有効期間はありませんので、1度講習の修了証を手にすれば、更新の必要はない講習です。

管理建築士講習の内容やタイムテーブル

管理建築士講習の講習の内容やタイムテーブルについて紹介します。

管理建築士講習は、1日のみの講習です。すでに建築士をお持ちの方なら、建築士の定期講習のようなものだと理解していただくとよいでしょう。管理建築士講習は法定講習ですので、開催団体ごとの大きな違いはありません。

講習は、9時30分に開始し、17時30分に終了します。途中、昼食休憩を挟みながら、学科4時限で5時間+修了考査1時間の合計6時間というタイムテーブルで開催されています。

管理建築士講習の開始・終了時間
開始時間 9時30分 終了時間 17時30分

学科1時限目建築士法その他関係法令に関する科目(建築士と建築士事務所)
学科2時限目建築物の品質確保に関する科目(品質確保に関する業務)
学科3時限目建築物の品質確保に関する科目(品質確保に関する業務)
学科4時限目建築物の品質確保に関する科目(品質にかかわる責任)
試験修了考査
※東京土建ATECのタイムテーブルと各社の情報を参考に作成

管理建築士講習の修了考査の内容は?

管理建築士講習の最後に行われる修了考査について紹介します。

修了考査は、60分間で行われます。正誤式(○×式)で回答する形式で、30問の試験になります。

出題範囲は、当日の講義の内容や講習のテキストからになります。試験時は、講習のテキストを参照しながら回答することができます。

管理建築士講習の申込み先は?建築士事務所協会や総合資格など

管理建築士講習は、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が開催しています。

2020年現在では、下記の4つの団体が管理建築士講習を開催しています。各団体の管理建築士講習のサイトが開設されていますが、下記の各団体名のリンクをクリックすることで確認できます。

また、建築技術教育普及センターは、書類の配布や講習の開催場所などは都道府県の建築士事務所協会が窓口になっていますので、受講の際にはあわせて参考にするとよいでしょう。

なお、建築士の定期講習を開催している日建学院やERIなどは、管理建築士講習の開催元ではありませんので、ご注意ください。

管理建築士講習の受講料は?

管理建築士講習の受講料は、登録講習機関ごとに異なります。管理建築士講習を開催する各団体の受講料を一覧表にまとました。

最も高いのは総合資格学院の法定講習センター、次が建築技術教育普及センターです。

東京土建ATECと埼玉土建建築支援センターは、料金は安いですが、地域が限定されています。また、開催も年1~2回と少ないので注意しましょう。

登録講習機関名受講料
建築技術教育普及センター16,500円
総合資格学院法定講習センター17,500円
東京土建ATEC12,000円
埼玉土建建築支援センター12,000円

管理建築士講習の受講者数(修了者数)や合格率は?

管理建築士講習の受講者数・修了者数・合格率を、登録講習機関が公開している情報を元にまとめました。

受講者数や合格率を開示している3団体とも、合格率が99%を超えています。欠席者やキャンセル以外で不合格となっている方がほとんどいないようです。

2019年の管理建築士講習の修了者数と合格率

登録講習機関名受講者数修了者数合格率
建築技術教育普及センター1,320名1,314名99.5%
総合資格学院法定講習センター2,506名2,490名99.2%
東京土建ATEC非公開非公開非公開
埼玉土建建築支援センター3名3名100%

管理建築士講習は通常の受講態度で受講すれば、ほとんどすべての方が合格できる講習です。修了のためには、講習すべてを受講する必要がありますので、講習当日の遅刻には注意しましょう。

管理建築士になるために必要となる管理建築士講習の修了証は、各団体のHPには受講後1ヶ月程度を目安に発行されると記載されています。

建築士事務所登録を予定されている方や所属されている会社の管理建築士に就任することが決まっている方などは、計画的に受講しておくとよいでしょう。

管理建築士講習の開催日程・曜日・場所は?

管理建築士講習は、住所や勤務地と関係なく受講が可能です。受講しやすい地域や日程を選んで受講することができます。

下記の表に記載している登録講習機関名に、各団体の開催日程が掲載されているページへリンクしています。最新の情報は、リンク先よりご確認ください。

登録講習機関名開催曜日開催頻度開催都市
建築技術教育普及センター木、金3ヶ月に1回程度全国26都道府県
総合資格学院法定講習センター火、木、金毎月4~5回程度全国47都道府県
東京土建ATEC年1~2回程度東京・神奈川のみ
埼玉土建建築支援センター年1〜2回程度埼玉のみ
※建築技術教育普及センターと総合資格学院法定講習センターは、開催地域が多いため、東京を例に開催曜日と開催頻度を紹介しています。

最も開催頻度が高いのは、総合資格学院法定講習センターで、曜日の選択肢も複数あり、全国各都道府県で受講が可能です。

次に多いのは建築技術教育普及センターで、全国26都道府県で受講が可能です。

東京土建ATECや埼玉土建建築支援センターは、受講料は安いですが地域が限定され、年に数回しか開催実績がありません。受講費を節約したい場合は、計画的に受講しましょう。

管理建築士講習の必要書類とは?

管理建築士講習の受講にあたり、講習の申込時に必要な資料や記入内容についてまとめました。管理建築士の受講を計画されている方は、事前に確認したうえで必要な準備を進めてください。

必要書類概要
受講申込書住所・氏名・生年月日や勤務先、保有している建築士資格・登録番号などを記入します。ウェブで登録を完結できる団体は不要なケースもあります
証明写真半年以内に撮影したものとしている団体が多いです。サイズは(縦4cm x 横3cm)、もしくは(縦4.5cm x 横3.5cm)となります
受講料の振込明細書受講料を金融機関で振込した場合の控えを添付します。クレジットカード決済に対応している団体は不要なケースもあります
建築士免許証明書の写し所持する最上位の建築士免許証が対象になります
業務経歴証明書建築士としての実務経験を証明するための書類です

実際の受講にあたっては、受講先の管理建築士講習の開催団体のページをご覧ください。

管理建築士講習の業務経歴証明書の書き方

管理建築士講習を受講するための申込書類のなかで、重要かつ作成が難しい書類は、建築士としての実務経験を示すために必要な業務経歴証明書です。

業務経歴証明書のフォーマットは各団体によって異なりますが、記載項目については大きな違いはありません。

  • 勤務先の名称
  • 勤務先の所在地
  • 建築士としての実務経験(業務内容)
  • 実務経験期間(開始・修了・期間)

ただし、各団体の記入例を見ると、建築士としての業務内容の記載内容に違いが確認できました。

比較的簡易な表記であるパターンAを採用しているのは、総合資格と東京土建になります。「建築物の設計」や「工事監理」など、大枠の業務内容の記載を求めています。

比較的詳細な表記であるパターンBを採用しているのは、建築技術センターになります。「○○事務所RC造の設計、その他共同住宅3件の設計」など、より具体的な業務内容の記載を求めています。

埼玉土建は、記入例が見つかりませんでしたが、証明書のフォーマットには「この期間における設計業務の内容を具体的に記入」と記載されており、パターンBのものと近しい内容を要求しているものと推察されます。

管理建築士講習の業務経歴証明書の書き方

ポイント1:業務経歴を証明する建築士の署名が必要

管理建築士になるために必要な建築士としての実務経験は、自分以外の第三者の建築士による証明が必要となります。

業務経歴証明書には、第三者証明者となる建築士の自署と証明者の建築士免許の種類、建築士の登録番号が必要となります。

また、二級建築士や木造建築士は都道府県に登録する資格であるため、登録都道府県をあわせて記入して貰う必要があります。証明をお願いする建築士の方に事前に確認しておきましょう。

ポイント2:実務経験は建築士の種類を問わない

管理建築士講習を受講するための建築士としての実務経験は、建築士の種類を問わず通算することができます。二級建築士や木造建築士としての実務経験もカウントすることができます。

また、二級建築士の状態で管理建築士講習を修了した後、一級建築士試験に合格し、免許登録すれば、一級建築士事務所の開設者になることもできます。

ポイント3:建築士免許登録前の実務経験は、通算できない

2020年に改正された建築士法の改正により、一級建築士試験の試験に合格してから必要な実務経験を満たした後に免許登録ができるようになりました。

建築士試験には合格していても免許登録前の実務経験は、建築士としての実務経験には算定できませんので、注意しましょう。

ポイント4:業務の重複期間や空白期間はカウントできない

建築士としての実務経験には、重複期間を二重に計上したり、空白期間をカウントすることはできません。

プロジェクトを複数同時並行で係わっていても、二重に計上することはできません。また、事務所が建築士事務所登録をしていても建築士の業務を行っていなかったり、休職などの空白期間は計上できないので注意しましょう。

管理建築士について理解し、計画的に受講しましょう

管理建築士講習は、受講に必要な実務経験さえ満たせば、修了するのは難しくありません。この記事で紹介してきた管理建築士受講のためのポイントを紹介します。

  • 管理建築士講習を受講できるのは、総合資格・建築技術センター他 4団体のみ
  • 管理建築士講習の合格率は100%近くあり、修了が難しい講習ではない
  • 管理建築士講習の修了証の受理までには、1ヶ月程度見込んでおく必要がある
  • 必要となる実務経験は二級や木造のものでもかまわない。建築士の種類の区別がない
  • 業務経歴証明書には、証明してくれる建築士が必要となるため注意が必要

独立を目指す方の多くにとっては事実上受講が必須の講習となります。開催も少ない講習のため、計画的に受講しておくことをお勧めします。

設計事務所経営ナビでは、建築士の独立に必要な知識や、設計事務所の経営や会社運営に役立つ情報を提供しています。ぜひ、関連記事もあわせてご覧ください。

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